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Upsala-Ekeby 2

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北欧最古の大学が置かれた美しい古都ウプサラ。映画『サーミの血』では、主人公のエレ・マリャが、憧れとともに自身が生きるべき場所として思い定めた町。「ウプサラ」と彼女が声にするだけで、その可憐な響きとともにこの町は特別のオーラをまとっているようにも思えるのだった。 製陶所Upsala-Ekeby ABは、ウプサラの西部Ekeby(エーケビー)の地に1886年1月29日に創業された。当時スウェーデン国内では、極北の地層に永く蓄えられてきた粘土質堆積物を原資に、レンガ・タイルを製造する製陶所が数多く設立されていた。Upsala-Ekeby ABの場合は、粘土を多く埋蔵するこの地を農場として所有していたウプサラの名家の出資によって事業化されたのが始まりであったようなのだ。 『サーミの血』公式サイトより(https://www.uplink.co.jp/sami/#vod)

Upsala-Ekeby 1

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昨年の6月、スウェーデンの友人に誘われてダーラナ地方へでかけた時のこと。ストックホルムから北へ60kmほど車で走った道沿いに、“loppis(蚤の市)”という手書きの看板をかかげた古道具店があった。ここは、周辺から持ち込まれた品々を並べる委託販売店。さしずめ、北欧ヴィンテージを扱う小さな“道の駅”という感じ。 極北の、刺すような初夏の陽射しにも疲れていて、休憩も兼ね立ち寄ることにした。 店内には、様々なアンティーク家具や小物類とともに、古都ウプサラが近いせいもああってか、“ウプサラ-エーケビー(Upsla-Ekeby)”の、ちょっと愛嬌のある、独特のフェイスの陶磁器がいくつも並べられていた。 スウェーデンの陶磁器といえば、ロールストランドかグスタフスベリ。それに引き換え、ウプサラ-エーケビーは、注目されることが少ない気がする(おそらく日本では)。 この製陶所は、1880年頃創業して、100年後の1980年企業買収の末に廃業となったのだが、当時のままの作品群を目の前にして見ると、ある意味、スウェーデン手工芸の伝統を最も体現した製陶所ではなかったのかと思えてくる。 記念に購入したIngrid Atterbergのスクエアプレート

ARABIA物語

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フィンランドの首都ヘルシンキ、トラムの終着駅「Arabiankatu」に、アラビア製陶所の建物があります。もともとアラビアは、スウェーデンの製陶所ロルストランドがロシア市場向け製品を製造する工場としてこの地に1873年創業しました。レトロなARABIAの縦組み文字とチャコールの煙突がトレードマークのビルも創業当時のまま。 そして、1916年、フインランド国がロシアからの独立宣言を布告する前年、アラビアも新たな企業として独立を果たしました。 1932年には、フィンランド独自の芸術表現を目指し、所内に美術部門(Art department)が設立され、そのアートディレクターとしてクルト・エックホルム(Kurt Ekholm1907-1975)が就任。彼は様々な分野からアーティストを招き、アラビア独自の世界感を育てていきました。美術部門で活躍したアーティストとしては、例えば、ルート・ブリック(Rut Bryk1916-1999)やビルイェル・カイピアイネン(Birger Kaipiainen1915-1988)などが有名です。 また1945年には、カイ・フランク(Kaj Franck1911-1989)を招いてプロダクトデザイン部門(Product Design Department)を開設。日用食器のデザイン開発や製造ラインのリニューアル化によって、企業としての業績に貢献し、また、Kirta-Teemaを代表とするシンプルで機能美あふれる家庭食器の世界を切り開きました。 2009年DESIGNMUSEOから出版された「 ARABIA Ceramics/Art/Industry 」  2011年に訪れたアラビア製鉄所

北欧 本の世界へ

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こんにちは。 不安定なお天気がつづきますね。 いかがお過ごしでしょうか? 1年近くブログを更新していませんでしたが、、 今後は「北欧 本の世界へ」というテーマで、 北欧の本や文化などについて 少し深掘りして書いていこうと思っています。 ただいま深堀り担当が準備していますので、しばらくお待ちください! イベントや入荷のお知らせなどは インスタグラム 、または フェイスブック にて ご確認いただけますので、 そちらもよろしくお願いいたします。