ARABIA物語


フィンランドの首都ヘルシンキ、トラムの終着駅「Arabiankatu」に、アラビア製陶所の建物があります。もともとアラビアは、スウェーデンの製陶所ロルストランドがロシア市場向け製品を製造する工場としてこの地に1873年創業しました。レトロなARABIAの縦組み文字とチャコールの煙突がトレードマークのビルも創業当時のまま。

そして、1916年、フインランド国がロシアからの独立宣言を布告する前年、アラビアも新たな企業として独立を果たしました。

1932年には、フィンランド独自の芸術表現を目指し、所内に美術部門(Art department)が設立され、そのアートディレクターとしてクルト・エックホルム(Kurt Ekholm1907-1975)が就任。彼は様々な分野からアーティストを招き、アラビア独自の世界感を育てていきました。美術部門で活躍したアーティストとしては、例えば、ルート・ブリック(Rut Bryk1916-1999)やビルイェル・カイピアイネン(Birger Kaipiainen1915-1988)などが有名です。

また1945年には、カイ・フランク(Kaj Franck1911-1989)を招いてプロダクトデザイン部門(Product Design Department)を開設。日用食器のデザイン開発や製造ラインのリニューアル化によって、企業としての業績に貢献し、また、Kirta-Teemaを代表とするシンプルで機能美あふれる家庭食器の世界を切り開きました。

2009年DESIGNMUSEOから出版された「ARABIA Ceramics/Art/Industry」 

2011年に訪れたアラビア製鉄所





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