3人のヨブス姉弟による手刷りテキスタイル
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ていねいに手刷りで仕上げられたヨブスの布地
いろとりどりの花々が一面に咲き誇るヨブスのテキスタイル。布地を部屋に飾るだけで心が潤います。一枚一枚をていねいに手刷りで仕上げられているせいか、実際に手に取ったとき風合いが深く感じられます。工房の 「ヨブス・ハンドトリュック〈Jobs handtryck〉」は、スウェーデン、ダーラナ地方。緑と湖水の青がまぶしいシリアン湖の西にあります。
創業は1944年。ペール・ヨブス(Peer Jobs1913-1989)、リスベット・ヨブス(Lisbet Jobs1909〜1961)、ゴッケン・ヨブス(Gocken Jobs1914〜1995)の兄弟姉妹を中心にスタートしました。
陶芸作家から、テキスタイルデザイナーへ
創業以前、リスベットとゴッケンの姉妹は、ストックホルムに陶芸工房を開き、陶芸作家として活動していました。二人は1937年パリ万博、1939年NY万博に出品するなど陶芸作家として国際的にも注目されていたところでした。
1939年に第二次世界大戦が開戦となり、スウェーデンは戦火を免れたものの、経済的な混乱や物資不足は深刻だったといいます。二人の陶芸作家にとっても、良質な粘土や釉薬などの素材供給の制限がかかり、作品制作も次第に困難となってきました。
そんな時、「陶芸で描いてきた様々な花柄のモチーフをテキスタイルに活かしては、いかが。」NK(エヌコー・デパート)のテキスタイルデザイナーの奨めにより、ヨブスのプリント・テキスタイルが動き出しました。ペールが仲間と立ち上げていたシルクスクリーン工房の活動とともに。
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ちなみにリスベットは、音楽家の夫との間に二人の子供をもうけ1961年に急逝。1940年代の前半までの陶芸活動によって、『スウェーデンを代表する女性陶芸家』としても名前を残しました。
一方、ゴッケンは生涯独身で、数多くのテキスタイルデザインを世に送りました。ヨブス工房以外の作品依頼にも応じ、スウェーデンのテキスタイル業界で、さまざまな功績を残しています。