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グスタフスベリG-STUDIOのデザイナー カーリン・ビョルクヴィスト

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Karin Björquist formgivare Karin Björquist(カーリン・ビョルクヴィスト1927-2018)は、Inga Lisa Larson(リサ・ラーソン1931-)より4歳年長、グスタフスベリ製陶所G-STUDIO黄金期にデビューしたデザイナーである。市井の暮らしに生きる製品デザインを信条とし、一方ではノーベル賞 90周年記念式典のためのノーベル・サービス(Nobelservisen)でも著名な作家である。また、テーブルウェア領域を超え、建物内外の意匠、公共建築事業への参画など、その活動範囲は多義に渡り、ある意味、20世紀のインダストリアルデザイナーのあるべき姿を示した存在であった。Stig Lindgerg(スティグ・リンドベリ1916〜1982)の後任として、1981‐1986の間グスタフスベリ製陶所アート・ディレクターを務め、1994年まで活動した。 Karin Björquistは、スウェーデン中西部Säffle(Värmland)に生まれ育った。家は自転車店を経営し、幼年期、休日は家族でサイクリングに出掛けては植物標本を作り、植物のスケッチをすることが愉しみのひとつであったという。地元の学校を卒業した後、両親の反対を押し切り、1945年、首都ストックホルムの芸術大学Konstfack(HKS)に進学。当初は、夜学に通い昼間は働いて生計をたてていた。 工業デザイナーを志したKarin Björquistは、グスタフスベリ製陶所デレクターWilhelm Kåge(ヴィルヘルム・コーゲ1889-1960)の元へ花のスケッチ画とともに手紙を書き送った。それが目に留まり、Kågeの作品ARGENTAを制作するARGENTA Roomに見習いデコレーターとして働くこととなった。 Konstfack(HKS)最終学年には陶芸家Edgar Böckman(エドガー・ベックマン1890-1981)の指導を受け1950年に卒業。同年グスタフスベリ製陶所に正式雇用され、Stig Lindgergスタジオにアシスタント・デコレーターとして配属。だが早い段階で自身のスタジオを与えられた。Kågeスタジオの隣にである。 1954年、ヨーテボリRöhsska Museumの展示会にStig Lindgerg、Berndt Friberg(ベルント・フリー